ハチムーチーとキビの葉ムーチー

「正月が終わったら、あとはムーチーだね」

おとなの寺小屋うむいぬうふやー では、正月早々、書き初めをしました。
(書き初めのようすは、月刊『うむい』第100号をごらんください)
書き初めを終えると、清子さんが「あとはムーチーだね」と。

そのひとことで、寺小屋授業が「国語」から「社会」へと変わります!

「鬼となってしまった兄が、悪さばかりしていたから、退治するために大好きなお餅を作って崖に誘い出して、落として退治した昔話があるんだよ」
「いわゆる魔除けさー」
「食べたあとのカーサを十字にして玄関に下げたりするんだよ」
「昔は家でよく作っていたけれどねぇ」
   :
と話す生徒さん。

「昔は家でよく作っていたけれどねぇ」
笑顔で話すものの、ちょっぴりさびしい表情にも見えます…。

よし!
うふやー生徒で厄払い、健康を願って「うむいぬうふやームーチー作り」をしよう!!!

と、書き初めのあと、決めました。

そして1月24日の水曜日、3時間目の「家庭科」で、厄払いと健康を願って「うむいぬうふやームーチー作り」をしました。調理実習の時間です。

「わからんよー」
「つくったことないさー」
「私は食べる専門だから」

そうおっしゃった方ほど、手際よく作業が進みます。
手が動きますが、同じくらい口も動きます。

「なんで油を塗るの?」
「子供が食べやすいようにじゃない?」
「なんでー、ここ子供いないのに」
「そういうつくり方をしてきたから」
「家によって違うのよ」
「部落によっても違うから」

おとなです。
小さい頃から馴染んできたやり方と違っても、受け入れ、まわりに合わせています。
おとなの寺小屋です。

「そんなに大きくつくるの?」
「そんなに小さくつくるの?」
「それ、ちからムーチーだよ」
「そうですよ。ちからムーチーになっちゃうよ」
「いいよ。ちからムーチーで」
「もう少し小さいほうがいいんじゃない」

ちからムーチー……。
ふつうのムーチーと、どう違うんだろう…。
生徒さんが教えてくれました。
なるほど…。

月桃の葉に油を塗り、
紅芋味や黒糖味の餅粉を練り、
葉で包み、
ひもでしばり…と、ムーチーづくりが終盤にさしかかった頃です。
“初耳”とも言える言葉が聞こえてきました。

「どの家もハチムーチーやったよね」
「ハチムーチー……ですか?」(スタッフ)
「ここにいる人はみんな、ハチムーチーしてるさ」
「3つとか、5つとかね」
「そう、奇数ね」

ハチムーチー……ハチ?

「初ムーチー」と教えていただきました。
ああ、そうですね。

そのあとです!

「月桃の葉がなかったら、キビの葉で包んでいたんですよ」

茂子さんが教えてくれたのです!
ムーチーをキビの葉っぱで?

これこそ本当に初めて聞きました!
キビの葉っぱでムーチー!

すると、何人もの生徒さんが、“証言”してくださいました。

「屋敷内にサンニンがなければ、キビを使うしかないから」
「なぜか月桃の葉が集まらない年もあるんです。そういうときはキビを使うの」
「キビは1枚じゃ足りないのよ。2枚はいるの」
「大島(奄美大島)でもキビを使ったことあります」
「月桃と違って、少し甘い香りがするの」

そのあとは、月桃のいい香りに包まれながら、みんなでおいしくムーチーをいただきました。

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